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11月6日。友人。石巻。

  • Posted by: saigetsu
  • 2011年11月 5日 22:36
明日の晩より旅行に行くため、Twitterのロックを解除しました。
もうそんなに業者のフォロワーに悩まされないと思うので、これでうまく行けばそのままで。

さて、私事になりますが、ちょっといいですかね。

明日11月6日は、僕の大学時代の友人の命日であります。
彼女とは大学の劇研(劇研究会)で知り合い、共に過ごしてきました。
当時うちの大学ではアングラ演劇が盛んで、全身白塗りでへんちくりんな踊りを踊ったり(失礼)、
街中を五寸釘を持ってねり歩いたりもしました。
そんな、どっちかというと笑えない思い出(度々失礼)を共有してきた数少ない仲間の一人でもありました。

彼女はそこそこ背が高くひょろっとしていて、まるで鹿のようでした。鹿せんべいが好きそうでした。
普段は大人しい人でしたが、断固たる信念を持った人でもありました。でも、適当なところもありました。
僕はそんな彼女が大好きでした。

大学を中退し、東京でキャラメルボックスという劇団に入ってからも、彼女は時間がある限り観に来てくれました。大学時代の友人で僕の芝居を観に来てくれるのは実は彼女だけだったのです。
もちろんこれには理由があります。
皆、子育てが忙しい時期が重なったり、僕の方も遠慮してしまって、知らず知らずのうちに疎遠になっていたからです。でも彼女とだけは、なぜか連絡を取り続けていました。

そんな彼女が観た最後の僕の芝居は、pnishという劇団の「サムライモード」というお芝居でした。
その時彼女はお腹に子供がいて、もうすぐ産まれるというのにわざわざ来てくれたのです。
その時僕は、次の「嵐になるまで待って」という公演も控えておりましたので、産んですぐは辛いかもしれないけれど、できれば観に来て欲しいといいました。
僕自身、今だから言えることですが、この公演を最後に退団をしようかと考えていたからです。
今まで見守ってくれた彼女に、僕が今までで一番やりたかった芝居、やりたかった役を観て欲しいと思ったからです。
でもまあ、さすがに無理だろうと思いました。それに、芝居は続けるつもりでしたから、またいつか別の芝居を観に来てくれればいいかなと、僕は軽く考えておりました。

でも彼女は二度と僕の舞台を観ることはありませんでした。
新国立劇場で「山の巨人たち」という芝居をやっている時に、友人から電話がありました。
彼女は自らその生命を断ったと。
生後間もない子供を残したまま、彼女はこの世界からするりと抜け落ちていきました。

僕は彼女が昔から抱えてきた問題を、何一つ知りませんでした。
大阪と東京では距離もありますし、確かに知ることは難しかったのかもしれませんが、
やはりそれは言い訳でしかありません。
僕は関西に行くたびに彼女に会っておりましたし、飲みにもいってました。

それなのに僕はまったく気づきませんでした。何一つ知りませんでした。

じゃあ、知っていたらお前は何か出来たのかというと、それはわかりません。
僕には何か出来たかもしれないし、やっぱり出来なかったのかもしれません。
でも、そんな事はいくら考えたところで無駄なのです。

そこにいるのが当たり前だと思っていたのに、ある時突然目の前から理不尽にもぎ取られてしまう。


彼女が亡くなった後、大学時代の仲間でMLを作りました。
お互いが思いついた時に、好きな事を書いて流す。それだけのものです。
それが一体何の役に立つのか、そんな事は僕にはわかりません。
でも、人とつながることがどれだけ難しくて大変であるかを思い知らされたからこそ、
僕はそんなもろくて壊れやすいものをなんとか守っていきたいと願うのです。

明日のお昼、なんとpnishのお芝居を観ます。たまたまこの日になったんですが、なんとなく不思議な縁を感じます。
そして、夜から石巻に向けて出発します。
滞在期間は2日間と短いですが、腰に気をつけて頑張ってこようと思います。

久しぶりに長い日記を書いてしまいました。
ここ最近、誰の為でもない、自分自身の為に言葉を綴っていたので、
これぐらいお茶の子さいさいです(古い)。

明日以降の事は、TwitterやFacebookでお知らせします。






どれだけ自分が無力だろうとも、抗うことができなくても、
そんな事に落ち込んでる場合じゃないんです。





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