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今だからわかる

  • Posted by: saigetsu
  • 2012年2月 5日 00:51
ぼんやり月を眺めながら家に帰ってみると、某劇団の解散公演が放送されていた。
録画していたので、さわりだけ観てみようと思っていたら、結局半分以上観てしまった。
半分観た所で、自分の中の色々な感情が揺さぶられはじめてやめた。
なんと言えばいいのかわからない。
何を叫べばいいのかわからない。
ただただ形の定まらぬ想いだけが、僕を揺さぶり続けていた。

あー終わりなんだ とつぶやいた。

僕が芝居を始めるきっかけになった劇団であり、僕の青春そのものと言っても過言ではなかった。
僕は本当に大好きで、恋焦がれ、そして大学3年の時に、その大好きな人たちと関わるチャンスをもらった。

でも駄目だった。

理由は色々あれど、駄目なものは駄目。
僕はその劇団に入ることはできなかった。
悔しかった。
本当に悔しかった。
だから僕は、色んなものを捨てて、新しい世界に飛び込んだ。
結果、今の僕がある。
あの時、あの事がなければ僕はここにいなかっただろうし、
今もこうして舞台に立つことはなかっただろう。

その大好きだったあの劇団が、とうとう最後の日を迎えた。
僕はその公演を観に行かなかった。
その公演だけじゃない。
実は、オーデションに落ちてから、その後一度も観ることはなかった。

理由はよくわからない。

そうしている間に、月日が流れてしまった。

好きすぎて観られなかったのか。
あの場所に自分がいないことが辛すぎて観られなかったのか。

でも多分、その色んな事を想像してしまう自分に負けたんだと思う。

想像力に負けてしまったんだと思う。

と同時に、
これは恋愛みたいなものじゃないかと思った。
僕はきっと、すごく、愛していたんだと思う。
この形の定まらぬ思いは、きっと愛なんだと思う。

あれからもう随分経ったけど、今の僕はどうなんだろうか。
少しは成長したんだろうか。
少しは大人になれたんだろうか。

想像力こそが人を苦しめることもある。
でも、僕はその想像力が必要とされる仕事にいる。

どんなことも糧にして、貪欲に生きていくべきなのか。

例えばある時、街でバッタリ、昔大好きだった人に出会うとする。
その時僕は、笑顔で話しかけることができるんだろうか。

今の僕には、その強さがあるのだろうか。

愛していたんだと思う。
きっと。
今だからわかる。






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