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結局温泉旅行では、一睡もできませんでした。正確には1時間。
朝まで色々な人と色々な話をして。
オリオン座はとっくに姿を消していました。
かわりに東の空からは、太陽が姿を見せはじめていました。
そして僕の目の前には、この1年の全てがありました。
前の晩は仕事のため3時間しか寝れなかったので
始発で東京に帰ろうと思っていたのですが、
朝焼けに感動しているうちに体が冷えてきて、
結局出戻って温泉につかりました。
そして、ホテルからおよそ2時間かけて
最寄の駅まで歩いて戻りました。
歩道橋の階段で一服したり、神社で一服したり、
のんびりダラダラ歩きました。
海が見たいと思いました。
コンビにで旅のガイドブックを購入し、
海が見える場所を探しました。
そして「日立」に行くことにしました。
日立に着くとお腹がすいたので、
偶然見つけたお洒落な「しゃぶしゃぶ屋」に入りました。
ランチの時間はとっくに過ぎていたのに、
お店の人は快く迎えてくれました。
店内は色々な作品が飾られており、
とても心地よい空間でした。
海はすぐ近くにありました。
空はあいにく曇っていましたが、
どこまでも続く海は、
この1年を締めくくるのに相応しいほど見事でした。
砂浜を歩きました。
波にさらわれそうになりながらも、
どこまでもどこまでも歩いていきました。
このままずっと、歩き続けたいと思いました。
ずっとそうして歩いていきたいと思いました。
途中何度も見失って、
迷って、離れて、どうしようもなくなって、
でもまた同じ場所にいる。
ここでこうしていることが自然でありたい、そう思いました。
例え未来にどんな不安があったとしても、
今の全てを信じて生きたい、そう思いました。
海はどこまでも強く、素敵にありました。
いつかこの風景が崩れ去ることがあったとしても、
僕が忘れてしまわない限り、
僕の心の中でいつまでもありつづけるのだと、そう思いました。
失うことを恐れるのではなく、
今、本当に大切なものを守りたいと思いました。
例えばそれは、この手の温もり。
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